導入
e無職転生のボーダーを解析サイトで見ると、だいたい「等価17.0回転」と書いてある。この数字を信じて「17回転しないから打ち続けない」と判断している人は多い。でも、その17回転という数字がどうやって出ているか、説明できる人はほとんどいない。
今回は、公表スペックだけを使ってボーダーをゼロから計算し直してみた。計算はAIにモンテカルロシミュレーションを組ませて、何万回も回した平均から出している。結論から言うと、素の理論値は「17回転」ではなく「13回転台」だった。そしてこの差がどこから来るのかを、実際に打った1日のデータで答え合わせした。
ボーダー計算式は、実はたった一行
まず、ボーダーの正体はこの一行だけで決まる。
等価ボーダー = 初当り確率の分母 ÷(初当り1回あたりの期待獲得玉 × 4円 ÷ 1000)
意味はシンプルで、「初当り1回で取り戻せる金額」で「初当りまでにかかる回転数(分母)」を割っているだけ。1000円で何回転回せばトントンになるか、という数字がボーダー。難しいのは割り算じゃなく、「初当り1回あたりの期待獲得玉」をいくつと置くか。ここが全て。
無職転生の素のスペック
公表値はこう。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 初当り(図柄揃い) | 約1/399.6 |
| RUSH突入率 | 約54% |
| RUSH継続率 | 約76.5% |
| RUSH中の出玉振り分け | 1500個(50%) / 3000個(26.5%) / 6000個(23.5%) |
| 初当り出玉 | 約1200個 |
| 賞球・カウント | 15個・10カウント |
継続率76.5%は「ST130回転以内に次の大当りを引ける率」で、これを検算すると 1/90.4 を130回転引く確率とちゃんと一致する。数字の裏は取れている。
シミュレーションで回すとどうなるか
この公表値どおりに何万回も回すと、平均はこうなる。
- 平均獲得BONUS数:約4.25個(継続率76.5%だと数学的にこうなる)
- RUSH突入時の平均獲得:約12,500個
- 初当り1回あたりの期待獲得(突入しなかった46%も込み):約8,000個
これを最初の式に入れると、399.6 ÷(8,000×4÷1000)= 約13回転。解析サイトの17より4回転も軽い。ここで「計算が間違ってるのか?」と何度も疑ったが、間違っていなかった。素のスペックどおりに回すと、無職転生のボーダーは13台が正しい。
差の正体は「1ラウンドの純増をいくつと置くか」
では解析サイトの17はどこから来るのか。犯人は1ラウンドあたりの純増玉だった。
アタッカーは賞球15個・10カウント。1カウント=1玉入賞なので、10玉打ち込んで150玉出る。純増は1玉あたり14玉、1ラウンドで140玉増える計算になる。これが「削りゼロ」の理想値。
ところが、この1ラウンドの純増をいくつと置くかで、ボーダーは大きく動く。
| 1R純増 | 等価ボーダー |
|---|---|
| 140玉(削りゼロ) | 約13.4回転 |
| 130玉 | 約14.3回転 |
| 120玉 | 約15.2回転 |
| 110玉 | 約16.3回転 |
| 100玉 | 約17.7回転 |
解析サイトの17は、1ラウンドの純増を約105〜110玉として計算している。 140玉から30玉以上削っている。この削りは、電サポ中に打ち込んで戻ってこない玉(右打ち中にOUTに玉がこぼれていく)を見込んだもの。つまり解析サイトの17は「削りを重く見た保守的な数字」で、素の理論値ではない。どちらが正しいかは、その台と打ち手の削りが実際どれだけあるか次第。
実戦データで削りを測ってみた
理屈だけだと水掛け論なので、実際に打った1日のデータで答え合わせした。液晶の払い出し表示とデータ機の計数、両方が残っている。
- 液晶の払い出し表示:37,590玉
- データ機の計数(実際に手元に入った玉):35,235玉
- 内訳:BONUS 14回(初当り異世界BONUS含む、うち3000個×2、6000個×3、残り1500個クラス)

まず払い出し側を検算する。ラウンド総数は248ラウンド。ラウンド理論の払い出し(1R=150玉)は 248×150=37,200玉。液晶表示37,590との差390玉は、10カウントを超えて入ったオーバー入賞ぶん。390÷15=約26回オーバー入賞していた計算で、余分な打ち込み26玉を引くと純増上乗せは364玉。数字がきれいに閉じる。
次にラウンド中の純増。1ラウンド純増140玉(削りゼロ)で計算すると 248×140=34,720玉、これにオーバー入賞ぶん364玉を足して34,720+364=35,084玉。データ機の計数35,235玉との差は151玉で、これは大当りが発生したときに手元に残っていた持ち玉(貸し玉は1000円で250玉ずつ借りているので、その範囲内)。ラウンド中もLT消化中も、削りは検出されなかった。 差は端玉と持ち玉で完全に説明でき、この台に関しては削りゼロの理論値回転13台がそのまま当てはまっていた。
もちろん、これは出玉が潤沢に出た1日のデータで、大当り開始時の持ち玉も厳密には記録していない(最大でも250玉なので誤差の範囲)。右打ち中は右側に釘がなく、出口のINの隣にOUTがあるぐらいに見える。そのため、玉がOUTに入ることは当然あるわけだが、右打ち中OUTに入るのを見なかったと思う。そこにこぼれていけば、損失は多くなるが、釘がないため調整の余地はないのではと思う。そうなると、大量に玉がこぼれることはないため、17まで跳ね上がる要素はどこにもない。
で、結局どっちを信じればいいのか(読者タイプ別)
ここは断定しない。削りの前提しだいで評価が真逆になるからだ。
解析サイトの17回転を基準にすべき人:常に打ちっぱなしで止め打ちをしない人、電サポやアタッカー周りの釘が渋い店で打つ人(この機種で当てはまるかは?だが一般的に)。また、自分で検証することができない人。この条件だと削りが実際に効いて、17回転前後が現実的な損益分岐になる。
13〜14台を基準にできる人:止め打ちで無駄玉を抑えられる人、削りの小さい台を選べる人。この場合は素の理論値に近づき、解析サイトの17回転は辛すぎる数字になる。上のデータのように「14回転でもプラス側だった」ということが起きうる。
大事なのは、「ボーダー17回転」という単一の数字を鵜呑みにしないこと。 ボーダーは前提を含んだ数字で、1ラウンドの純増をいくつと置くかで3〜4回転は平気で動く。解析サイトの数字は「削り前提での一つの答え」でしかない。
自分の台が実際どのくらい回っているか、まずは正確に測るところから。回転率チェッカーで、打ち込んだ玉数と回転数から自分の台のリアルな回転率を出してみてほしい。
回転率チェッカー
判定に使用 --
まとめ
無職転生のボーダーは、素のスペックどおりなら約13.4回転、解析サイトの削り前提なら約17回転。その差は「1ラウンドの純増をいくつと置くか」だけで生まれる。単一の数字を信じるより、前提の幅を知っておくほうが立ち回りは正確になる。ボーダーは結果じゃなく、前提を含んだレンジで捉えるのが正解だ。
また、これは無職転生のように、公表されてる数値からボーダーを出せる場合に限る。リコリス・リコイル(リコリコ)のように、公表されていないモード以降などが発生する場合は、1回あたりの大当たり出球を正確に出すことができない。モード移行率を自分で仮置きし、それに沿って計算するほかない。こればかりは機種ごとに異なるため、しっかりと自分でも確認してほしい。
※掲載数値は公表スペックをもとにした理論値・シミュレーション値であり、実際の結果や勝敗を保証するものではありません。
※18歳未満は遊技できません。パチンコはのめり込みに注意し、余裕のある範囲で楽しみましょう。


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